女王の帰還 その1


abianⅠ世は諸国巡礼の旅をひとまず切り上げて、祖国である愛の帝国「ジンニスタン」に帰還した。

愛の帝国の女王足り得るためには、どのような愛の試練にも打ち勝っていかねばならない。そのような強い愛のパワーを得るための過酷な旅、孤独な険しい旅路の連続であった。女王は傷ついた足をようやく天蓋付きベッドに休めることができたわけだが、けして安らぎを得に祖国に舞い戻ったと言うわけではない。
愛の帝国は今や危機に晒されているからだ。

そうして、帝国教会のアンドレアス枢機卿もまた荒野の巡礼を打ち切って帝国に帰還した。