(本日の巡礼箇所)

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『「世界でもっとも美しく切ない恋愛文学」といういい方が心にひっかかった。はて、みなさんならどんな作品を思い浮かべますか?私だったら、そうですねえ、ロンゴスの「ダフニスとクロエ」、伊藤左千夫野菊の墓」(わたしゃ久世光彦の喝破するとおり「隠れ野菊」ファンのひとり)、それとも西洋に滔々と流れるペトラルキュスムの系譜をたどり、ペトラルカの詩編、ダンテ「新生 (Vita Nuova)」、ノヴァーリス青い花」「日記」とか?そういえばポーの詩にも切ない愛のうたが多いね。例えば「夢の中の夢」とか。「千夜一夜物語」だって摩訶不思議で美しい愛の物語はおおいぞ。「りょうさい志異」にも異界のおんなとの切ない愛の物語がたくさんあったような記憶が・・・。サン・ピエール「ポールとヴィルジニイ」とか。チェーホフツルゲーネフ「初恋」はちょっと的外れ?いかがわしいまでの純潔を守るのは中河与一「天の夕顔」。番外編は弘兼憲二「黄昏流星群」。若き日氷づけになって死んだ若く美しい恋人と許嫁の老婆の再会という、実話にもとづいた奇天烈なプロットは、ヘーベル暦物語」・ホフマン・ホフマンスタールと受け継がれた。ジャム「三人の少女」や詩編の数々。バルザック谷間の百合」、スタンダールの「イタリア年代記」のどれか。結城信一の凍てついたような作品群。ネルヴァル「火の娘〜シルヴィ」「オーレリアあるいは夢と人生」・・・。藤沢周平「鳴り」。ああ他にもたくさんありそうですね。』